お問い合せ サイトマップ
Home >コラム「キーワード&データから解く」TOP >第2回
キーワード&データから解く 〜食品マーケティングの成功法則

第2回 「希少性食品の“お取り寄せ”がブームに」

ここ数年、“お取り寄せ”の特集を雑誌やTV番組で良く目にするようになった。特に最近流行っているのが、全国各地の名産品や食品などを通信販売で購入することだ。女性誌や情報番組だけでなく、日本経済新聞にもお薦めのお取り寄せショップランキングが掲載されており、世代を超えたブームの様相を呈している。

このお取り寄せブームを後押しするのがインターネットだ。経済産業省などの調査によると、 2003 年の食品ネットショッピング市場は 2,190 億円に達し、 2 年前の 560 億円から約4倍と急拡大した。富士通総研のアンケート結果によると、ネットショッパーのうち、この1年間にグルメ食品をネットで注文した人は 24.9 %で、1回当たり利用金額は約 7,500 円だった。お歳暮などのギフト用では、と思われるかもしれないが、購入者の 4 人中 3 人は自家用に買っていた。グルメ食品をネットで購入した理由を聞くと、「ネット以外で入手が困難だった」、「ネット以外で入手できなかった」が多く、身近なスーパーや百貨店では買えない、産直や小規模ショップのお取り寄せが人気となっているようだ。

お取り寄せの人気ショップの一つに、高級パンをネット販売する「ルセット」がある。美味しさを追求するため、添加物やイーストを使わず天然酵母だけで発酵させ、最高級の素材を使ってパンを作っている。最高の味を引き出す手段として、長時間にも及ぶ複雑な工程を手作業で製造しており、一日に生産される量は限定される。このため、ネット販売の予約開始日には、 1 本 3,000 円以上もするパンが、たった数分で売り切れてしまう人気となっている。

人には、手に入りにくいものを欲しがるという心理がある。「売り切れ」だと分かった途端に欲しくなったり、数量限定のメニューを思わずオーダーしたりという経験がある人も多いだろう。このような傾向を心理学では「希少性の原理」と呼んでいる。コンビニのお菓子売り場でよく見かける季節限定商品も、この原理を応用したものだ。季節限定以外にも、ルセットのような数量限定、期間限定、お得意様限定、販売店限定など、「希少性の原理」を生かした食品の販売は今後も増えるだろう。食品業界を含めマーケティング市場の軸が「値段」から「品質」へと変容している。これからは、ただ安く売るだけでなく、場合によっては高く売る工夫も重要になってくるといえる。

(2004 年 11 月 富士通総研 田中秀樹)
≫プロフィール

Home
HACCP99.comは、株式会社芦田工務店が運営する情報提供サイトです。
株式会社芦田工務店  http://www.e-ashida.jp
Copyright 2004 Ashida Construction Inc. All rights reserved.