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キーワード&データから解く 〜食品マーケティングの成功法則

第12
“玩具が売り物の食品”ではなく“遊べる食品”へ」

“食玩”は子供だけでなく大人をも巻き込んだ大ヒットとなった。しかし、精巧なオマケばかりが注目され、本体である食品が無視されているようにも感じられる。食品に玩具という“遊び”を加えるのではなく、食品自身で“遊び”を演出するアプローチもあるのではないか。

■食玩ブームは一段落

既に一般的な言葉になっていると思うが、食玩とはオマケとして玩具が付いたお菓子や飲料のことだ。海洋堂の作った精巧なフィギアの付いた「チョコエッグ」が大ヒットし、以来、様々なキャラクターの付いた食玩が発売されるようになった。以前はグリコやケロッグのオマケなど、食品にちょっとした玩具が付いている程度だったが、最近では玩具がメインで食品はオマケ程度という食玩のほうが多い。

ただ、食玩ブームは徐々に熱が冷めつつあるようだ。日本玩具協会によると、 2004 年度の食玩の市場規模は 572 億円だった。これは前年度の 620 億円と比べると 7.7 %減少している。まとめて購入する“大人買い”という言葉が生まれたように、子供というより、オマケ目当てで購入する大人のコレクターが購買の中心で、子供や一般の消費者にはなかなか広がりをみせていない。

逆に、一般の消費者は、食玩に対して価格の割にキャラメルやガムが少ないとか、味がそれほどでもないなど、食品としての本来の価値にマイナスのイメージを抱いてしまったようだ。しかし、このような、食品に玩具という遊びを付けて売上を伸ばすアプローチではなく、食品自身で遊びを演出して売上を伸ばしたケースもなかにはある。

■食品に“遊び”の要素を加えてみる

米国のハインツ社は、緑や紫といったケチャップらしかなぬ色をしたケチャップ「 EZ スクワート」を発売した。子供が喜ぶような派手な容器の先端には使いやすい絞り口がついており、ホットドックやハンバーガーの上に、子供でも簡単に名前や絵を描けるようになっている。商品が発売されると、色違いのケチャップを同時に買って数日間で使い切る家庭が出るほどの大ヒット商品となり、ハインツの市場シェアは 10 %アップした。

ハインツは、定評のある商品に、子供をターゲットとした“食品で遊ぶ”というコンセプトを与えることで、商品のポジショニングを変え、成熟期のカテゴリーでヒット商品を生み出した。オマケのように食品が付く主客転倒の食玩ではなく、食品自身の価値に、“遊び”や“夢”を与える工夫を考えてみてはいかがだろうか。

(2005 年 10 月 富士通総研 田中秀樹)
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