消費者のクチコミから生まれる食品のヒット商品が増えてきた。ヒットの裏では、クチコミに応じて商品や販売方法を変えるなど、クチコミを更に広げる食品メーカーの仕掛けも行われている。
■占いや語呂合わせのクチコミを取り入れた商品が大ヒット
クチコミがヒット商品を生んだ有名な事例として、ロッテの「コアラのマーチ」があげられる。「コアラのマーチ」は、 1983 年のコアラ来日を機に生まれた長寿商品だが、 1988 年頃には「眉毛のあるコアラを見つけられたら幸せになる」という噂がクチコミで広がって、「まゆ毛コアラ」ブームが到来した。この時ロッテは、「盲腸の手術跡のあるコアラ」、「鼻血コアラ」など、キャラクターの種類を増やして対応したため、「盲腸コアラを見つけると不幸になる」など新たなクチコミも生まれて大ブームとなった。現在では、キャラクターの「マーチくん」は、様々な格好や変装で 130 種類に及ぶという。
最近の事例としては、TVのCMやスーパーの店頭で良く目にした、ネスレ「キットカット」の受験生向け販促がある。「キットカットで“きっと勝つ”」という語呂合わせだが、これは、「きっと勝つとぉ」という博多弁が発端で、九州地区から全国に広がったとされる。このクチコミを聞きつけたメーカーが、これに応える形で販促を行ったため注目度が高まった。今年は、紅白のチョコパックや、五角形(ごーかく)のマグカップと組み合わせた商品を発売して更に人気が広がり、他社製品を含めてスーパーに受験生用のコーナーが出来るほどになった。
■消費者の声を生かす姿勢が重要に
このような広域の例に限らず、商品を選ぶときには、友人や家族からのクチコミが重要な役割を果たす。富士通総研が行った商品選択に関するアンケート調査でも、情報源としての利用度はTVのCMや折込チラシの方が高いが、重視度はクチコミが高いという結果が出ている。この調査はジャンルを限定したものではないが、女性の話題となりやすい食品の選択においては、クチコミの影響は更に高いだろう。
最近では、コンビニで見つけた新商品をケータイメールで友人に知らせる人達もおり、食品マーケティングの中でクチコミの影響度は軽視できない。ヒット商品を生み出すには、消費者の声を集める仕組みを作り、その中から価値のある情報を見つけ出す感度を磨く必要があるだろう。
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