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キーワード&データから解く 〜食品マーケティングの成功法則

第11
消費者の“食の安全”意識が促すトレーサビリティシステム」

食品の履歴を明確に追跡・遡及する「トレーサビリティシステム」の食品メーカーにおける導入率が上がってきた。大手スーパーなど取引先からの要望や行政施策への対応といった理由で導入しているケースもあるだろうが、消費者の“食の安全”に対する意識の高まりも導入の大きな理由だ。

■トレーサビリティシステムの導入率が大きく上昇

農林水産省が発表した「平成 16 年度食品産業動向調査」によると、 2005 年 1 月 1 日現在でトレーサビリティシステムを導入している食品メーカーは 34.4 %となり、前年の 25.9 %から大きく上昇した。業種別に導入率をみると、 BSE 問題で牛肉のトレーサビリティを義務付けられた畜産食料品製造業が 58.1 %で一番高く、水産食料品製造業が 35.9 %、パン・菓子製造業が 32.9 %で続いている。

複数回答で聞いたトレーサビリティシステムの導入理由は、「製造製品の安全性及び品質の向上への対応 (67.0 % ) 」と「消費者の安全・安心意識の高まりへの対応 (63.9 % ) 」の率が高く、「取引先からの要求への対応 (50.1 % ) 」、「販売戦略、事業戦略の一環 (24.3 % ) 」、「行政施策への対応 (9.4 % ) 」と続いており、取引先からの要望より消費者意識への対応が大きな理由となっていることが分かる。では、消費者の意識はどうなっているのだろうか。

■消費者は“価格”より“安全”を重視

群馬県が昨年行った「食品の安全に関する県民意識アンケート調査」では、食品の安全性について、「大いに不安を感じている」が 28.1 %、「多少不安を感じている」が 56.9 %となり、この両者を合わせると 85 %が食の安全に不安を感じていることになる。

実際に、食品購入時に重視する点の順位は、1位が「鮮度の高いもの」、2位が「安全性の高いもの」で、以下「品質の高いもの」、「国産品か輸入品か」、「価格の安いもの」、「生産地」、「見た目」の順となっており、価格よりも安全性を重視する姿勢が伺える。

2001 年に発生した BSE 問題をきっかけとして、消費者の食の安全に対する意識は高まった。ただ、その後も毎年のように感染した牛が発見されているが、当初のような大きな社会問題にはならず、消費者の関心も徐々に薄れているように感じられる。

これを反映してか、トレーサビリティシステムの導入理由において「消費者の安全・安心意識の高まりへの対応」は前年の 72.7 %から 8.8 ポイント減っていた。しかし、食の安全は根本となるものだ。トラブルが起きて消費者の関心が高まったという一時的な理由ではなく、食品メーカーの責務として継続的に安全な食品の仕組み作りに力を注いで欲しい。

(2005 年9月 富士通総研 田中秀樹)
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