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キーワード&データから解く 〜食品マーケティングの成功法則

第17回
インターネットを活用した商品開発のポイント

昨年 12 月に発売されたが、あまりの人気で生産が追いつかずに販売を中止していたカップ麺の「真骨頂」が1月から販売再開となった。このカップ麺の特徴は、インターネットの人気投票結果を元に商品開発した点だ。

■のべ 138 万票の消費者の意見で商品開発

人気投票はヤフー内の「ラーメン特集 2005 」で行われた。昨年 9 月に、タレ、スープと具材、ラーメンの名前の 3 回に分けて投票を行い、のべ 138 万票の意見を集め、しょうゆダレに濃厚豚骨スープ、豚肉という基本的な組み合わせが決定した。同時に、麺の太さなどラーメン全般の好みに関する投票も行い、この結果も商品化に活かされた。完成品は、東洋水産のカップ麺として商品化され、有名ラーメン店「ラーメン花月」のメニューにも加えられた。昨年 12 月の発売以来、ラーメン花月では 1 ヶ月弱で 16 万食を売り期間限定商品として過去最高を記録し、また、カップ麺は生産が追いつかずに発売開始から1週間で販売休止に追い込まれる程の人気となった。

インターネットで集めた消費者の声を元にした商品開発は以前から色々な会社で行われている。「真骨頂」を販売した東洋水産でも、 2000 年 3 月に「インドメン」というレトルトカレーをかけるタイプのカップ麺を発売した。この商品は、テレビコマーシャルを行わないにもかかわらず、インターネットで一部の消費者に熱狂的な支持を受け 150 万食を売り切ったが、レトルトカレーの辛さなどが広く受け入れられるものではなかったため、定番化することはなかった。では、大ヒットした「真骨頂」と、一部の人気に留まった「インドメン」の違いはどこにあるのだろうか。

■消費者を巻き込んだロイヤルティ向上効果も成功のポイント

まず、「インドメン」開発当時と現在ではインターネットの利用環境やユーザー層が異なる。ブロードバンドが普及していない 2000 年に家庭でインターネットを使っていた人は、技術者系や流行に敏感な人が多く、そのニーズは一般の人のものとは若干異なっていた。さらに、「真骨頂」は一般の人がアクセスするポータルサイトのヤフーを使っているのに対し、「インドメン」は関心の強い人達だけが集まりがちな食のコミュニティという、意見収集場所の違いも一部の人気に留まった理由だろう。

また、ブログの活用も見逃せない。「真骨頂」は、著名なブログ開設者を試食会に誘い、感想をブログに書き込んでもらって話題を喚起した。実際に、ブログで紹介されていたからコンビニで買って食べ、その感想を自分のブログに書き込むというネット上の評判の広がりが見られた。このプロモーション効果も 2000 年当時には無かったものだ。ただ、現在はインターネット上の評判が急速に広がり、短時間で爆発的な売れ行きとなることもあるので、生産体制などには注意が必要だ。

インターネットを使って消費者を巻き込みながら商品開発をすると、開発のスピード向上やコスト削減というメリットだけでなく、消費者の参加意識を醸成してロイヤルティを高め、クチコミで広がることも期待できる。インターネットを利用するメリットと留意点を考慮し、商品開発で積極的に活用していくことが競争力向上の鍵となる。

( 2006 年 3 月 富士通総研 田中秀樹)
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