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キーワード&データから解く 〜食品マーケティングの成功法則

第18回
トップブランドが大幅リニューアルに踏み切った理由

紅茶飲料でトップシェアを誇る「午後の紅茶」が、発売 20 周年を迎える今年、味とパッケージデザインを3年ぶりに刷新し、新しいマーケティング活動を開始した。コンビニ定番ブランドが大幅リニューアルに踏み切った理由は何なのだろうか。

■消費者には「甘い」「カロリーが高い」という思い込みが

キリンビバレッジの「午後の紅茶」は、 1986 年に日本初のペットボトル入り紅茶として発売され、今では紅茶飲料といえば「午後の紅茶」が最初にイメージされるほどの定番ブランドとなっている。女性タレントを使ったテレビCMも上手く、最近は松浦亜弥を使い、ドラマ仕立てで午後の紅茶の持つ雰囲気を伝えている。

この定番ブランドを大幅刷新した理由は消費者の変化だ。同社が行った消費者調査によると、紅茶飲料に対し、甘い、カロリーが高いというイメージが強いことがわかった。このままでは、健康志向の高まりの中で、販売が減少してしまうことが懸念される。

そこで、茶葉やレモン果汁を増量するなどして、健康志向にマッチした商品に設計し直した。また、マーケティング展開も、今まで伝えてこなかった、低カロリー、無着色、低脂肪といった商品の魅力を重視して発信し、これまでの紅茶に対するイメージを払拭することを狙った。キャッチフレーズは、定番商品の良さと健康志向を両立させる「20年目の新発見!実はヘルシー 午後の紅茶」とし、テレビCMはレモンティーの生レモンをなめたりする健康的なイメージのものに変更した。

ただ、パッケージデザインの変更は最小限に留めている。社内には大幅な変更を求める声もあったようだが、定番ブランドとして既存顧客の支持を維持するために、今回は見送ったそうだ。2月 21 日の大リニューアル後の販売は好調で、商品ヒットチャートの上位にランクインし、今年は前年比8%増を計画している。

■生き残るためには環境変化に合わせたブランドの成長が必要

食品でもファッションでも定番ブランドとして生き残るためには、環境の変化に合わせて商品コンセプトを見直すなど、成長させていく必要がある。実際、定番食品の味や有名ブランドのロゴデザインは、時代に合わせて微妙に変えていることが多い。販売実績が順調な定番商品の刷新は、既存顧客が逃げてしまう危険性もあるため、社内や流通からの抵抗も大きいだろう。しかし、ロングセラーとして生き残るためには、消費者の変化を捉え、商品コンセプトを見直す勇気が大切だ。

( 2006 年 4 月 富士通総研 田中秀樹)
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