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キーワード&データから解く 〜食品マーケティングの成功法則

第21回 
ネットショッピングの変化と“お取り寄せ”の購入状況

昨年のコラムで取り上げた“お取り寄せ”ブームは、その後も勢いに衰えを見せていない。今回は、ネットショッピングの調査結果を元に、“お取り寄せ”の利用状況を紹介していこう。

■ネットショッピング利用状況の3つの特徴

富士通総研では、消費者のパソコンを通じたインターネットショッピングの利用状況を定期的に調査している。最新の「インターネットショッピング 2006 」では、利用状況に 3 つの特徴があることが明らかになった。

最初に挙げられる特徴は、ネットショッピングが日常的になりつつあることだ。ネットショッピング利用者の 1 年間の利用回数は、 2 年前の 9.6 回から 11.4 回へと増えている。ただ、 1 回あたりの購入金額は平均 9,068 円で前回より 901 円減っており、結果として一人あたりの年間購入金額には大きな変化はない。単価の高いパソコンなどより、単価の低い飲料、玩具、台所用品などの利用率が伸びており、日常的な商品を気軽に購入する様子がうかがえる。

最近の利用者は、ネットショッピングの経験を積んでいるので、商品や価格以外の送料やポイントなどの特典、登録の容易さなどを考慮して比較しながらネットショップを選ぶ。ただし、一度気に入れば同じネットショップをリピート利用する傾向があり、同一商品を繰り返し購入するスタイルも増えてきた。このようなリピートが2つ目の特徴だ。結果として、音楽 CD ・ビデオ・ DVD の商品カテゴリーではアマゾンのシェアが 5 割を超えるなど、リピート利用による上位ネットショップへの寡占傾向が見られる。

いつも使っているネットショップで扱っていない商品を購入する場合はどうするのだろうか。新たに使うネットショップは、テレビや雑誌ではなく、サーチエンジンやモールなどを使ってネット上で探す。特に、モールでの検索は 11.7 %から 16.7 %へと増えており、気になった商品はモールで探すという人が増えているようだ。また、個人のブログでの紹介をきっかけとして商品購入に至る比率も増えており、ネットショップのマーケティングにおける“ロングテール現象”が現れている。では、“お取り寄せ”の利用状況はどうなっているのだろうか。

■一般食品とグルメ食品では利用時の評価点が異なる

この調査では、食品を飲料・酒類、一般食品、グルメ食品の3つのカテゴリーに分けて質問した。ネットショッピング利用者のグルメ食品の購入率が 24.9 %から 30.6 %に増えたのをはじめ、3つ全ての購入率が向上している。ただ、購入シーンは異なるようだ。

飲料・酒類と一般食品は、日常的な商品が購入されることが多く、配達や 24 時間いつでも注文できるといった、ネットの利便性で利用されている。このため、同じネットショップの利用や、ポイントなどの特典を気にする傾向が強く、ネットショップの差別化点はリピート利用者に向けたサービスとなる。これに対し、グルメ食品はネットでしか購入できないという理由が多い。いつものネットショップの利用はやや低く、ネットで見ているうちに欲しくなったという人が多いので、新規客獲得のプロモーションやサイト上での商品訴求方法が重要になってくる。

経済産業省によると、 2005 年度の消費者向けネットショッピング市場のうち、食品カテゴリーは 1,472 億円で EC 化率 ( 店舗販売を含めた取引全体に占める電子商取引の比率 ) は 0.3 %となっている。ネットショッピングが進んでいる米国の食品の EC 化率は 1.0 %であり、今後米国のレベルに近づくとすると、まだまだ市場拡大の余地はありそうだ。食品のネットビジネスに取り組む際には、利用者の購入シーンや選択理由をしっかり踏まえてビジネスを展開して欲しい。

( 2006 年 7 月 富士通総研 田中秀樹)
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