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キーワード&データから解く 〜食品マーケティングの成功法則

第23回 
食品企業が狙う“刷り込み”効果

子供たちがなりたい職業の仕事にチャレンジし、楽しみながら社会の仕組みを学ぶ日本初のエデュテインメントタウン「キッザニア東京」が 10 月 5 日豊洲にオープンする。実は、この施設には数多くの食品関連企業がスポンサーとして協力している。

■子供たちにブランドを体験する機会を提供

最初のキッザニアは 1999年にメキシコでオープンし、今も年間 82万人の来場者を集める人気施設だ。単なる娯楽だけでなく教育的効果が認められて、メキシコ文部省推薦のもと小学校の課外授業の場としても利用されている。

キッザニア東京の中には、大きさが実物の 2/3 という子供サイズの擬似店舗や施設が立ち並び、消防士、キャビンアテンダント、モデル、医者など、 70種類以上の仕事が体験できるようになっている。仕事を体験するアクティビティはスポンサー企業の協力で運営されている。例えば全日空が協力する飛行機のパビリオンでは、子供たちはパイロットやキャビンアテンダントの仕事を体験でき、キャビンアテンダント役の子供は、搭乗客役の子供に対して安全の説明をしたり、食べ物や飲み物をサーブする。

キッザニアに協力している企業は約 40社で、その中にはピザのフォーシーズ、モスフードサービス、森永製菓、ロック・フィールド、パンのドンク、ソフトクリームの日世と 6社の食品関連企業が含まれる。ハンバーガー作りや、パン職人など、多くの子供たちが様々な食の仕組みを体験することになるはずだ。

子供たちに食の体験機会を提供する取り組みは他でも行われている。イトーヨーカドーは 7月に「夏休みキッズ食育イベント」を開催した。イベント会場では色々なクイズや体験教室が行われたが、同時にイベントを通じて協賛企業の名前やブランドを憶えてもらうことが意図されていた。協賛したある食品メーカーは「 5年後、 10年後、子供に調味料の名前を思い出して使ってもらえればいい」と長期的な効果を期待している。

■刷り込みの効果をあげるには一貫した取り組みが必要

このように、子供のころからブランドや味を印象付ける“刷り込み”は、コカコーラなど多くの会社で行われてきた。日本マクドナルドも、子供や女子高生を対象とした刷り込みを行ってきたが、その背景には「 10年、 15年したら子供を連れて戻ってくるから」という狙いがあったという。

確かに子供の頃の楽しかった思い出と共に体験した味やブランドの印象は長く持続する。成長して表面的には忘れてしまっても、何かのきっかけで思い出して再びヘビーユーザーになってくれることもある。ただし、キッザニア東京や体験教室などのイベントで好印象を与えても、実際の商品や店舗などで一度でもマイナスイメージを与えたら、その効果は白紙に戻る。刷り込み効果を完成させるためには、全社として一貫した企業姿勢や取り組みが重要だ。

( 2006年 9月 富士通総研 田中秀樹)
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