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キーワード&データから解く 〜食品マーケティングの成功法則

第27回 
消費者のコミュニティを上手に使う食品メーカーとは

ヤフーが発表した2006年の検索キーワードランキングでトップとなったのは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS) の「mixi(ミクシィ)」で、前年の12位からの大幅ランクアップだった。今回は、昨年大人気だったSNSを使った食品マーケティングの事例を紹介していこう。

■mixiのコミュニティを使ってターゲット層を企業サイトに誘導する

SNSとは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(Social Networking Service)の頭文字を取ったもので、インターネット上のコミュニティサービスに分類される。SNSの中には掲示板や日記機能が用意され、多数の人が交流し、情報交換できるようになっている。今までのコミュニティサービスと異なり、参加者からの招待がないと参加できないので、紹介した友達を通してコミュニティが広がりやすく、冷やかしの書き込みが少ないという特徴がある。

このSNSの代表格がmixiだ。2004年2月からスタートして20代を中心とした若者の人気を集め、660万人以上が登録する大きなサービスとなった。mixi内部にある趣味や関心によって分かれたコミュニティに参加するだけでなく、友人とのメッセージのやり取りのために使っている人も多く、アクセス頻度が高いのが特徴だ。このmixiを若者向けマーケティングツールとして使う企業が現れた。

大塚製薬は、2006年の7月から「ファイブミニ」のプロモーションでmixiを活用しはじめた。占いなどのコンテンツを掲載する「ファイバー美人大学@mixi_campus」と「体内怪人ファンコミュ!」というmixi公認の企業コミュニティを開設し、大塚製薬の公式サイトへの誘導を図った。この結果、今まで1日あたり100人を切っていた公式サイトへの訪問者数が、1万人を超える程に急増した。

成功の秘訣は2点ある。まず、「ファイブミニ」のターゲットが20代〜30代の女性で、mixiのユーザー層と近いことだ。次に、宣伝だと分かっていても楽しめるコンテンツを掲載したため、クチコミがmixi内で大きく広がるようになった。この成功により、大塚製薬は10月から「ソイジョイ」の公認コミュニティも開設し、mixiの活用にさらに力を入れている。mixiのような既にあるSNSを利用するのではなく、企業独自でSNSを開設する動きも出てきた。

■企業独自のSNSを開設して消費者の声を聞く

チルドデザート製造販売のモンテールは、2005年10月から独自のSNS「スイーツ探検隊」を開設した。メーカーはエンドユーザーから生の声を聞く機会が少ないので、スイーツが好きな消費者の声を直接聞く場を持つためだ。登録会員は約1,500人で、毎日アクセスするユーザーも全体の約25%とアクティブ比率が高い。

モンテールの販売先であるコンビニやスーパーでの商品の入れ換えタイミングは短いので、新商品のアンケート調査をしようと思っても間に合わない。しかし、「スイーツ探検隊」であれば、発売直後から書き込みがあるので、消費者の声をビジネスに活かせるという。例えば、昨年春に販売を終了した「生シュークリーム」を10月から再販売したが、これは販売終了時に、「スイーツ探検隊」で再販売を求める声が多かったことがきっかけだった。

大塚製薬やモンテールはSNS活用の成功事例だが、SNSをビジネスで使う上では注意点もある。消費者は情報を得るだけではなく自ら発信し、交流するためにコミュニティに参加しようと思っているので、広告のように一方的に企業の声だけを押し付ける場にすると、参加者の反感を買うことになる。実際、mixi公認のコミュニティをオープンしたものの、参加者の声を聞かなかったために、2週間で閉鎖に追い込まれた企業もある。SNSを活用するには、消費者と対話する企業の姿勢が重要だといえよう。

( 2007 年 1 月 富士通総研 田中秀樹)
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