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キーワード&データから解く 〜食品マーケティングの成功法則

第28回 
外食で使われ始めた“工場野菜”

女性に人気のレストランチェーン「TO THE HERBS(トゥ・ザ・ハーブズ)」のサラダメニューでは、工場野菜の「エコ作」が使われている。トゥ・ザ・ハーブだけでなく、マクドナルドやディズニーランドなど、工場野菜の利用が外食の現場で徐々に広がってきた。

■工場野菜のリーフレタスは1989年に商品化

工場で作られる野菜といえばモヤシやキノコが古くからあるが、これらは太陽光を必要としないので工場でも容易に栽培できるものだ。だが、最近は、人工の光を使って、レタスやトマトなども工場で作られるようになってきた。

キユーピーは、野菜の価格と供給安定化のために、工場野菜の開発に早くから力を入れてきた。1984年に光源などの技術開発に着手し、89年にはリーフレタスなどの販売を開始した。現在、全国の14ヶ所の工場で毎日約18,500株を生産する規模となっている。カゴメも工場野菜を栽培している。同社が出資するハイテク菜園で栽培されたトマトは、小売向けは「こくみトマト」、外食向けは「デリカトマト」のブランドで販売されており、業務用はマクドナルドの一部の店舗で使われている。

東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドも工場野菜に取り組み始めた。同社子会社がLEDによる水耕栽培施設を千葉県に作り、レタス、ホウレンソウ、ハーブ、水菜などを栽培している。4月からはディズニーリゾート内のレストランで出すサラダやハンバーガーで使う予定だ。

■安定供給で無農薬が工場野菜のメリット

ここで工場野菜の特徴を整理しておこう。まず、メリットは大きく2点ある。1点目は管理のしやすさだ。露地物と比べ、季節や天候に左右されず安定的に収穫でき品質にムラもない。次に、農薬を使わなくてすむのも大きなメリットだ。工場は密閉空間なので虫が入らず無農薬で栽培することができる。

ただ、課題もある。露地物に比べ、軟らかかったり、苦味にかけるなど食感が異なるといわれる。また、工場の初期投資には2〜3億円必要で、これに加え光熱費のランニングコストが掛かるため、どうしても露地物と比べ割高になってしまう。リーフレタスの場合、時期によるが、3割増しから2倍程度の価格だ。このため、現時点の工場野菜は一般スーパー向きの商品とはいえない。

ただ、マクドナルドがサラダの販売を始めるなど、外食産業では消費者の健康志向に対応するためサラダメニューを強化している。このため、その素材となる野菜を全店で必要な分だけ確実に仕入る必要に迫られている。いくら有機野菜の人気が高くても、天候によって収穫量や価格が大きく変動してしまっては、外食チェーンのメニューに取り入れるのは難しい。必要な野菜が計画的に確保でき、かつ無農薬という特徴を持つ工場野菜が、外食チェーンのメニュー作りで欠かせなくなる日も遠くなさそうだ。


( 2007 年 2 月 富士通総研 田中秀樹)
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