「4人に1人が週1回以上コンビニ弁当を利用」これはあるアンケート調査の結果だ。これほどまでに一般的になったコンビニの弁当は消費者の食生活を便利にしてきたが、その裏では賞味期限が切れて処分される “廃棄弁当”を大量に生み出している。
■リサイクル・リユース・リデュースの3つのアプローチ
賞味期限が切れそうな弁当は、以前はアルバイトに持ち帰らせた店舗が多かったが、現在では衛生管理の問題があるので廃棄処分にされている。スーパーであれば、賞味期限が近づいた商品の価格を下げて売り切ることも可能だが、いつでも手に入る利便性を特徴とするコンビニは最低限の在庫を維持する必要があり、廃棄弁当が発生しがちだ。農林水産省によると、食品小売業における食品廃棄物の年間発生量は260万トンに達し、コンビニはその1割を占めるとされる。そのリサイクルや削減に向けた3つのアプローチが動き出した。
ファミリーマートは廃棄弁当を飼料として再加工する実験を始めた。千葉県の一部の店舗を対象として、賞味期限切れの弁当や総菜などを提携業者が回収し、養豚用の飼料に加工する仕組みだ。将来的には、この飼料で飼育した豚の肉を使ったハムやソーセージなどをファミリーマートで販売することも狙っている。
ローソンは横浜市と協力し、店舗で売れ残ったパンや弁当などを食材として再活用する取り組みを始めた。ローソンでは賞味期限とは別に販売期限を設定している。これは購入してから実際に食べるまでの時間を見込んだもので、商品によって異なるが4〜24時間の余裕があるという。この余裕時間に着目し、販売期限が過ぎても賞味期限までには時間がある商品をNPO法人に無償で提供し、簡易宿泊所街の「さなぎの食堂」で安価に提供している。
セブンイレブンは、毎週火曜日だった新商品の発売日を、火曜から金曜までの週4日に拡大した。変更の目的は2つある。まず、日替わりで商品を入れ替えることで店頭を活性化することだ。来店頻度が高いコンビニでは、今までの火曜日一斉発売では週の後半には印象が薄れてしまうという課題があった。2つ目は発注の適正化による廃棄弁当の抑制だ。発売日を分散することで曜日毎の重点販売を明確にし、同時に商品廃棄のチェック回数を1日3回から9回に変更することで、発注精度を高めようとしている。
■コストとCSRの観点でも重要な取り組み
このようにコンビニ各社がリサイクルに力を入れているのは理由がある。2001年に施行された食品リサイクル法は、年間100トン以上の食品廃棄物を排出する事業者に対し、2006年度までに20%の削減とリサイクルを義務付けた。しかし、チェーン展開のコンビニなどは、個々の加盟店を一事業者としたため100トンの対象外であることが多く、リサイクルへの取り組みが進んでいなかった。そこで、農林水産省はチェーン全体を一つの事業者とみなしてリサイクルを促す方針に転換した。
コンビニの4万店から発生する廃棄弁当は処理にコストがかかる。例えば、ローソンの年間の廃棄処理費用は営業利益445億円に匹敵する約400億円といわれ、売上が伸び悩んでいるコンビニ業界にとっては大きな数字だ。廃棄弁当への取り組みはコストとCSR(Corporate Social Responsibility)の環境への取り組みの両面で重要になっている。
( 2007 年 6 月 富士通総研 田中秀樹)
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