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キーワード&データから解く 〜食品マーケティングの成功法則

第36回 
「お取り寄せ」の利用状況に見るネットショップ販促の工夫

レストラン格付けの「ミシュランガイド」東京版が11月に発刊される。同ガイドではレストラン3年前に話題として取り上げた「お取り寄せ」は、単なるブームで終わらずにショッピングの一形態としてすっかり定着したようだ。今回は、最近の利用状況と共に、その背景にある消費者心理を利用した販促テクニックを紹介しよう。

■30代を中心とした女性の「お取り寄せ」利用
インターネットを使ってグルメ食品を購入する「お取り寄せ」は、以前は北海道のカニなどの産地直送品が中心であったが、最近では宅配便などの輸送技術が向上したため、ケーキやプリンなどのスイーツにも広がっている。

富士通総研の「インターネットショッピング2007」によると、この1年間にパソコンを使ってネットショッピングした人のうち、グルメ食品を買ったのは25.8%で、30代を中心とした女性の購入率が高い。購入ショップは楽天市場やヤフーなどのモールに出店するショップが8割強とほとんどを占め、アマゾンなどのネット専業やユニクロなど小売系の利用も多い他の商品カテゴリとは若干様子が異なる。決まったショップで繰り返し買うというより、モールで「見ているうちに欲しくなった」という衝動的な購買が他の商品より多いようだ。

では、モール上の売れているグルメ食品にはどんな特徴があるのだろうか。楽天市場の週間販売ランキングで「食品・スイーツ」のトップ10を他のカテゴリと比較すると大きな特徴が二つある。まず、新規にランクインしたものが半数以上と多いことだ。他のカテゴリでは、コンタクトレンズやUSBメモリのように同じ順位でランクインしている定番商品があるが、食品・スイーツではランキングの変動が激しく、売れ筋が良く変わっている。次に、商品名に「お試しセット」と付いているものがかなり多い。これはどんな消費者心理を狙ったものなのだろうか。

■若干割高な商品を購入させる工夫
お取り寄せは送料がかかるのでデパ地下などで買うより高くなってしまう。しかし、お試しセットは、そのショップの通常商品よりはお得な値段か、いろいろな商品が少量ずつ入っているので、「多少高くても今回はオトクなお試しだから」という自分自身に対する言い訳がつき、気に入った商品を食べたいという欲望を後押しする。実際、女性のお試しセットの購入率は男性よりはるかに高いという調査結果もあり、次から次へとお試しセットを購入している女性も多そうだ。

インターネットのお取り寄せでは、以前紹介したように数量や期間を限定する販売テクニックがある。これに加えて「お試し」という言い訳を用意した一押しの手法も効果的だ。


( 2007 年 12月 富士通総研 田中秀樹)
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