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キーワード&データから解く 〜食品マーケティングの成功法則

第38回 
「メガ食品」という見過ごされた市場

昨年の食品業界のヒット商品の一つに「メガ食品」が挙げられる。1月に発売された「メガマック」が火付け役となり、その後、外食やコンビニにメガブームが広がった。

■1447kcalのメガ弁当も登場
健康志向の商品が幅をきかせる中、その流れに逆行した日本マクドナルドのメガマックの登場は衝撃的だった。ハンバーグを4枚はさみ、普通のハンバーガーの3倍に達する1個754kcalという高カロリーの商品にもかかわらず、1月に発売されると供給が間に合わなくなる程の人気商品となった。メガマックは期間限定商品として11月までに計8回発売され、累計販売数は2000万個を超えた。年末にはメガイヤーのトリを飾る商品として、「メガトマト」と「メガたまご」という「紅白のメガ」も発売された。

このメガブームは他の外食チェーンにも広がった。ハンバーガーチェーンのウェンディーズはメガマックを超える970kcalの「スーパーメガウェンディーズ」を発売した。牛丼チェーン「すき家」は、特盛でも物足りないという声に応え、並盛3杯分の牛肉を使った1,286kcal「メガ牛丼」の販売し、予想の2倍を売り上げた。また、サークルKサンクスは弁当の「MEGAシリーズ」として1,447kcalの「トリプル丼」を、セブン−イレブン・ジャパンはデザートで740kcalの「がっつりプリン&チョコパフェ」を投入した。

メガ食品のメインターゲットは10代後半〜30代の男性だ。当然このセグメントの高カロリーニーズは元々あったものだ。例えば、イベント会場近くのコンビニでは、女性ファンが集まるコンサートが開催される時はサンドイッチや軽めの弁当を、男性ファンが多いK-1の時はがっつり系と品揃えを変えている。しかし、健康志向、メタボリックシンドローム対策が叫ばれる中、食品の商品開発の現場は女性をターゲットとしたものばかりで、若い男性向けはほとんどなかった。日本マクドナルドでも、2006年から本格的に発売した「えびフィレオ」や「サラダマック」は女性をメインターゲットとしており、メガマックは久々に男性を狙った商品だった。

■直感的な分かりやすさもヒットの理由
ただ、単に高カロリーというだけではヒット商品にはならない。実際、2004年に発売した日本マクドナルドの「マックグラン」は、肉の量を8割増にして399円で販売したが定番にはならなかった。これに対し、メガマックは350円と割安感があり、さらに、「メガ」という名称、「2倍」のビジュアルという直感的な分かりやすさが若い男性に響いたのだろう。健康志向と高カロリー、高級食品と低価格、というように市場の2極化は進んでいる。大きな流れの反対側で見過ごされている市場を見つけ出せれば、そこには意外なチャンスが潜んでいる。




( 2008 年 3月 富士通総研 田中秀樹)
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